妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナの白磁の肌がみるみる赤くなっていく。その様をパールは微笑ましく思う。

「最初は政略であろうとも、それが恋愛に変わることもございます。先代の国王陛下がそうでした」
「そう……なれたら嬉しいわ」

 フィンラスはカテリアーナを大切に扱ってくれているが、あれは同情からくるものだと思っている。カテリアーナの境遇を知っているからだ。

「それでダンスが終わった後はどうすればいいのかしら?」
「基本的にはフィンラス様に従ってください。たくさんの貴族から挨拶を受けると思いますが、カテリアーナ様は笑顔を浮かべているだけで構いません。後はフィンラス様が対処なさいます」

 エルファーレンの貴族とはここ二ヶ月半で何人かと謁見したが、中には好意的な者もいれば、そうでない者もいた。表面上は笑みを浮かべているが、ラストリアでさんざん敵意にさらされてきたカテリアーナはマイナスの感情に敏感だ。
< 157 / 203 >

この作品をシェア

pagetop