妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 だが、カテリアーナは王族としての教育を受けている。エルファーレンに来てからもパールに王族としての在り方を徹底的に叩き込まれた。敵意を向けられたとしても、笑顔でいられる自信がある。

「分かったわ。パール、ありがとう」

 まもなくカテリアーナの妃教育も終わる。パールとは公式の行事以外は会えなくなってしまう。寂しくなってしまうなとカテリアーナはしゅんとする。

 カテリアーナの表情が沈んだのを見て、パールはくすりと笑う。

「カテリアーナ様が王妃となられた暁には、わたくしはカテリアーナ様の筆頭侍女兼王妃の執務補佐を任されることになります」
「それは本当なの? パールがいてくれれば百人力ね。嬉しいわ」

 急に明るくなったカテリアーナにパールとエルシーはおかしくなり、笑い出す。

「カテリアーナ様は表情が豊かですね。私も引き続きカテリアーナ様の専属侍女を任されております」

 エルシーもこの先一緒だという。ついにカテリアーナは破顔してしまう。

「まあ! 公式の場ではそのようなお顔は禁止ですよ」
「分かっているわ」

 パールに注意をされ、カテリアーナは表情を引き締めた。
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