妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~

3-2

 フィンラスはカテリアーナをエスコートして、今日の舞踏会場である大広間へと向かう。

 カテリアーナはフィンラスをちらりと横目で見る。軍服のような黒い上下の服装は縁に金糸の刺繍が入っていた。これが国王の正装なのだ。元々整った容姿をしているが、正装のフィンラスはさらに凛々しくカテリアーナの目に映る。

 今日は黒髪をサイドに束ねている。よく見ると、黒髪には一部白い髪が混じっている。

「フィルの髪は一部白いのね。染めているの? それとも生まれつき?」
「ああ。これは生まれつきだ。俺は腹の毛が白いだろう? 人型になるとそれが髪に混じるらしい」
「なんだか可愛いわね」
「可愛いか。ありがとう」

 確かにフィンラスの王様猫姿は腹の毛が白い。ふとカテリアーナはフィンラスの髪の毛を触ってみたいと思った。しかし、これから舞踏会なのだ。今日のところは我慢することにする。
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