妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 少し寂しさを感じながら、カテリアーナは玉座からダンスをする人々を眺める。着飾った人々の色とりどりのドレスがくるくると回りきれいだ。

「カテリアーナ様、お疲れではありませんか? 飲み物などいかがですか?」

 ふいに玉座の下からパールに声をかけられる。見知った顔にカテリアーナはほっと息を吐いた。

「パール。ええ、大丈夫よ。でも喉が渇いたわ。果実水をお願いできるかしら?」
「承知いたしました。少々お待ちくださいませ」

 パールはカーテシーをすると、近くの給仕に声をかけに行く。

 今日のパールはさらに華やかだ。赤いドレスを上品に着こなしている。

 一人で玉座にいるのは心許ない。カテリアーナは玉座を降りるとパールの下へ向かおうとする。

 しかし、白い影に行く手を阻まれる。

「ごきげんよう、カテリアーナ王女殿下」
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