妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナは意外と肝が据わっていることは、彼女を幼い頃から見守ってきたフィンラスは知っている。だからこそ、ラストリア王国からカテリアーナを妃に迎えろと要求されて素直に受け入れたのだ。

「ドラゴンに乗りたかったか?」
「乗りたかったわ。せっかく練習したのに」

 フィンラスと遠乗りに行った次の日から、騎竜術をフィンラス直々に学んでやっと一人で乗れるようになったのだ。

 最初から上手く乗れたわけではない。フィンラスのドラゴンは主人の番であるカテリアーナを受け入れ、振り落とすことはしなかった。だが、他のドラゴンは違う。容赦なくカテリアーナを振り落としにかかった。

 そこでフィンラスはカテリアーナにドラゴンを贈ることにした。

 カテリアーナに贈られたドラゴンは雌だ。雌のドラゴンは雄に比べて気性が優しい。カテリアーナは彼女にディアナという名をつけた。
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