妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 ノワールに変化したフィンラスもそうだが、カテリアーナはずっとエルファーレン王国の人々に見守られていたということである。

「鳥がですか? どのように?」

 ドラゴンのように背に乗るのだろうか? 

 カテリアーナは想像がつかない。妖精の国は本当に不思議なことばかりだ。

「今に分かる。そら来たぞ」

 フィンラスが空を仰ぐ。カテリアーナもつられて空を見上げる。

 翼を広げた鳥が二羽降下してくる。鳥たちは車を曳いていた。

 鳥の影はどんどん大きくなり、やがて地上へ降り立った。

「すごく大きな鳥ね」
「グリフォンだ」

 グリフォンは鷲の頭と翼に獅子の体を持つ聖獣だ。体は馬より少し大きい。
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