妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カリュオン王国の交通手段はグリフォンが曳く車なのだ。

「これがグリフォン? 羽毛が柔らかそうね」

 グリフォンの羽毛に触れてみたいと思ったカテリアーナは手を伸ばそうとする。

「カテリアーナ様。あまりお近づきになりませんように。調教はしてありますが、本来は獰猛な生物ですので」

 グリフォンとともに降下してきたカルスに止められる。

「羽毛に顔を埋めてみたかったわ」

 肩を落とすカテリアーナに苦笑しながらフィンラスは手を差し伸べる。

「ラ・フィーネに行けば触れる機会がある。行くぞ、カテリアーナ」
「はい。フィンラス様」

 カテリアーナはフィンラスとともにグリフォンが曳く車に乗り込む。車には屋根がついていない。オープンタイプの車だ。
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