妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 サファイヤは両腕を広げてフィンラスとカテリアーナを歓迎する。

「フィンラス殿、よくぞ参られた。そちらが花嫁殿か?」
「久しぶりだな、サファイヤ殿。こちらは俺の婚約者のカテリアーナだ」

 じっとカテリアーナを見つめると、サファイヤは納得したように頷く。

「なるほど。パールの言ったとおりだ。良い相手を見つけたな、フィンラス殿」

 パールはサファイヤに何と報告したのだろうとカテリアーナは気になる。

「長旅で疲れたであろう。部屋に案内させよう」

 サファイヤがパチンと指を鳴らすと、王宮に仕える侍従が背の翼をはためかせ二階から飛んできた。侍従の見かけは三十代半ばくらいだ。

「お部屋へご案内いたします。エルファーレン国王ならびに妃殿下。その前に……」
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