妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
今年十六歳の王女は美しく聡明だ。騎士団長は目を細めると、思案する。その目には微かに憐憫の情が浮かんでいた。
騎士団長はもの珍しそうに湖を見ている王女の後ろ姿を見つめると、そっとため息を吐きひとりごちる。
「国王陛下もむごいことをなさる。姫をたった一人で未知の世界に嫁がせるとは……」
湖に反射した陽光がカテリアーナの顔を照らし、エメラルドグリーンの瞳に日差しが容赦なく差し込む。あまりにも光がまぶしいので、遮るように手のひらで顔を覆う。
「何日ぶりかしら? まともに日にあたるのは……」
ドレスの裾をさばきながら、カテリアーナは騎士団長のほうへ振り返る。
形はシンプルであるが、上質な材質の白いドレスはカテリアーナの美しさを引き立てている。このドレスはカテリアーナを唯一愛してくれた祖母の形見だった。
陽の光で輝く長い金色の髪はサイドに髪飾りが付けられているだけ。王女が嫁ぐというのに、身支度を整えた王宮の侍女たちが手を抜いたのだ。
騎士団長はもの珍しそうに湖を見ている王女の後ろ姿を見つめると、そっとため息を吐きひとりごちる。
「国王陛下もむごいことをなさる。姫をたった一人で未知の世界に嫁がせるとは……」
湖に反射した陽光がカテリアーナの顔を照らし、エメラルドグリーンの瞳に日差しが容赦なく差し込む。あまりにも光がまぶしいので、遮るように手のひらで顔を覆う。
「何日ぶりかしら? まともに日にあたるのは……」
ドレスの裾をさばきながら、カテリアーナは騎士団長のほうへ振り返る。
形はシンプルであるが、上質な材質の白いドレスはカテリアーナの美しさを引き立てている。このドレスはカテリアーナを唯一愛してくれた祖母の形見だった。
陽の光で輝く長い金色の髪はサイドに髪飾りが付けられているだけ。王女が嫁ぐというのに、身支度を整えた王宮の侍女たちが手を抜いたのだ。