妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
黒猫は再び差し出したカテリアーナの手に鼻を寄せるとふんふんと鳴らす。そして手のひらをぺろっと舐めた。警戒心が解けたようだ。
「ふふ。あなた運がいいわよ。今日採取した薬草の中に止血の効能があるオオヨモギがあるの」
護衛騎士からかごを受け取ると薬草を取り出し、汁をハンカチに絞り出す。汁で染まったハンカチを黒猫の足に巻き付けると、黒猫はびくっと体を震わせた。
「痛い? でも今は我慢してね。離宮に戻ったらしっかり手当てするからね」
カテリアーナは黒猫を抱きあげる。
「カテリアーナ姫。猫は私が連れてまいります」
護衛騎士は慌てて手を差し出す。王女に獣を触らせて万が一のことがないようにとの配慮からだ。
「いいの。わたくしが連れていきたいの」
「ですが……」
「だってこの子もふもふしているもの」
護衛騎士は苦笑する。離宮に仕える者はカテリアーナが動物好きなのを知っているからだ。
それに黒猫は大人しくカテリアーナに抱かれているので、危険はないだろうと判断し王女に任せることにした。
「ふふ。あなた運がいいわよ。今日採取した薬草の中に止血の効能があるオオヨモギがあるの」
護衛騎士からかごを受け取ると薬草を取り出し、汁をハンカチに絞り出す。汁で染まったハンカチを黒猫の足に巻き付けると、黒猫はびくっと体を震わせた。
「痛い? でも今は我慢してね。離宮に戻ったらしっかり手当てするからね」
カテリアーナは黒猫を抱きあげる。
「カテリアーナ姫。猫は私が連れてまいります」
護衛騎士は慌てて手を差し出す。王女に獣を触らせて万が一のことがないようにとの配慮からだ。
「いいの。わたくしが連れていきたいの」
「ですが……」
「だってこの子もふもふしているもの」
護衛騎士は苦笑する。離宮に仕える者はカテリアーナが動物好きなのを知っているからだ。
それに黒猫は大人しくカテリアーナに抱かれているので、危険はないだろうと判断し王女に任せることにした。