妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
1-5
怪我が完全に治ったノワールはある日、忽然と姿を消した。
おそらく飼い主の元に帰ったのだろうと誰もが思った。毛並みのいい猫だったので飼い主がいることは明らかだ。
カテリアーナを始め離宮の人々の癒しだったノワールがいなくなったことで、始めのうちは皆寂しがった。
ところが、寂しさが薄れた頃、再びノワールが姿を現したのだ。
「ノワール!」
庭のしげみから姿を現したノワールに駆け寄り、カテリアーナは抱き上げる。
「飼い主のところには帰れたの? 傷口は……ほとんど目立たないわね。良かった」
ひっかき傷があった部分には黒い毛が生え始めている。
久しぶりにノワールの毛並みを堪能しているカテリアーナの胸元へノワールがにゃと前足を置く。
カテリアーナが首からかけている鍵のペンダントに気づいたようだ。
「ノワールはこれが見えるの?」
「見えるよ」と返事をするようにノワールがにゃあと鳴く。
「そのなのね。でもこれはわたくし以外の人には見えないみたいなの」
夜空のような濃青色の石がはまったペンダントはカテリアーナ以外の人間には見えていないのだ。
おそらく飼い主の元に帰ったのだろうと誰もが思った。毛並みのいい猫だったので飼い主がいることは明らかだ。
カテリアーナを始め離宮の人々の癒しだったノワールがいなくなったことで、始めのうちは皆寂しがった。
ところが、寂しさが薄れた頃、再びノワールが姿を現したのだ。
「ノワール!」
庭のしげみから姿を現したノワールに駆け寄り、カテリアーナは抱き上げる。
「飼い主のところには帰れたの? 傷口は……ほとんど目立たないわね。良かった」
ひっかき傷があった部分には黒い毛が生え始めている。
久しぶりにノワールの毛並みを堪能しているカテリアーナの胸元へノワールがにゃと前足を置く。
カテリアーナが首からかけている鍵のペンダントに気づいたようだ。
「ノワールはこれが見えるの?」
「見えるよ」と返事をするようにノワールがにゃあと鳴く。
「そのなのね。でもこれはわたくし以外の人には見えないみたいなの」
夜空のような濃青色の石がはまったペンダントはカテリアーナ以外の人間には見えていないのだ。