妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
1-6
祖母の容態が急変した。カテリアーナが十二歳の時である。
「おばあさま!」
祖母の容態が急変したと聞いて、カテリアーナは扉をノックもせず祖母の部屋に飛び込む。
「……カティか……はしたないぞ……」
ベッドに横たわった祖母の姿はやつれていた。いつもの威厳あふれる姿の面影がないほど……。
苦し気な息遣いの中、祖母は弱々しくもカティににっこりと笑顔を向ける。
「おばあさま……」
差し出された祖母の手を包み込む。
「カティ、そなたの成人した姿を見たかったが……かなわぬようじゃ」
「そんな! おばあさま、すぐによくなりますわ」
脇に控えている医師に視線を向けると、医師は首を横に振る。
「わたくしがいなくなった後の……そなたの行く末が心配じゃ」
「何を仰るっているの?」
「もしも……この国に居づらいと感じたら……エルファーレン王国へ……国王を頼るとよい」
「え?」
意外な国名が祖母の口が語られた。エルファーレン王国といえば妖精の国だ。
「わたくしは少し休む。カティ、勉学を休むでないぞ」
疲れたようだ。祖母はそういうと目を閉じる。
退室する際、祖母がもう一度カティに声をかける。
「カティ、そなたの人生じゃ。思うように生きるとよい」
「おばあさま!」
祖母の容態が急変したと聞いて、カテリアーナは扉をノックもせず祖母の部屋に飛び込む。
「……カティか……はしたないぞ……」
ベッドに横たわった祖母の姿はやつれていた。いつもの威厳あふれる姿の面影がないほど……。
苦し気な息遣いの中、祖母は弱々しくもカティににっこりと笑顔を向ける。
「おばあさま……」
差し出された祖母の手を包み込む。
「カティ、そなたの成人した姿を見たかったが……かなわぬようじゃ」
「そんな! おばあさま、すぐによくなりますわ」
脇に控えている医師に視線を向けると、医師は首を横に振る。
「わたくしがいなくなった後の……そなたの行く末が心配じゃ」
「何を仰るっているの?」
「もしも……この国に居づらいと感じたら……エルファーレン王国へ……国王を頼るとよい」
「え?」
意外な国名が祖母の口が語られた。エルファーレン王国といえば妖精の国だ。
「わたくしは少し休む。カティ、勉学を休むでないぞ」
疲れたようだ。祖母はそういうと目を閉じる。
退室する際、祖母がもう一度カティに声をかける。
「カティ、そなたの人生じゃ。思うように生きるとよい」