妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
ノワールは大人しくカテリアーナに抱かれたままだった。
「お父様はわたくしの参列を許さなかった。やはりわたくしは『妖精の取り替え子』なのかしら」
カテリアーナは王宮からの使いの者に祖母の葬儀には参列しないようにと聞いた時、王宮の父の下に直訴をしに行ったのだ。
実に九年ぶりの父子の対面であった。カテリアーナの姿を見た国王はあからさまに顔を顰める。
「カテリアーナか。大きくなったな」
抑揚もない父の言葉は冷たかった。
それでもカテリアーナは祖母に教えられたカーテシーをする。優雅なカテリアーナの姿に国王の側近からは思わずほうというため息が漏れた。
「おとうさま。お願いがございます。わたくしをおばあさまの葬儀に参列させていただきとうございます」
「ならぬ」
「なぜでございますか? わたくしはおばあさまの孫です」
ふんと鼻を鳴らすと国王は嘲るような笑みをカテリアーナに向ける。
「『妖精の取り替え子』かもしれぬおまえにその資格があるとでも?」
びくっとカテリアーナは肩を震わす。それでも背筋を伸ばすと父にこう問いかける。
「……わたくしが『妖精の取り替え子』であるという確証はございましょうか?」
「おまえのその姿。誰にも似ておらぬ。だが、確証はないゆえ本物のカテリアーナが見つかるまでは影武者を務めさせてやろう。それまでは養ってやる。安心するがよい」
父は何を言っているのだろう? とカテリアーナは思った。
「もうおまえに話すことはない。出て行け。私は忙しい」
どうやって離宮まで帰ったのか思い出せないほど、カテリアーナは衝撃を受けていた。
「お父様はわたくしの参列を許さなかった。やはりわたくしは『妖精の取り替え子』なのかしら」
カテリアーナは王宮からの使いの者に祖母の葬儀には参列しないようにと聞いた時、王宮の父の下に直訴をしに行ったのだ。
実に九年ぶりの父子の対面であった。カテリアーナの姿を見た国王はあからさまに顔を顰める。
「カテリアーナか。大きくなったな」
抑揚もない父の言葉は冷たかった。
それでもカテリアーナは祖母に教えられたカーテシーをする。優雅なカテリアーナの姿に国王の側近からは思わずほうというため息が漏れた。
「おとうさま。お願いがございます。わたくしをおばあさまの葬儀に参列させていただきとうございます」
「ならぬ」
「なぜでございますか? わたくしはおばあさまの孫です」
ふんと鼻を鳴らすと国王は嘲るような笑みをカテリアーナに向ける。
「『妖精の取り替え子』かもしれぬおまえにその資格があるとでも?」
びくっとカテリアーナは肩を震わす。それでも背筋を伸ばすと父にこう問いかける。
「……わたくしが『妖精の取り替え子』であるという確証はございましょうか?」
「おまえのその姿。誰にも似ておらぬ。だが、確証はないゆえ本物のカテリアーナが見つかるまでは影武者を務めさせてやろう。それまでは養ってやる。安心するがよい」
父は何を言っているのだろう? とカテリアーナは思った。
「もうおまえに話すことはない。出て行け。私は忙しい」
どうやって離宮まで帰ったのか思い出せないほど、カテリアーナは衝撃を受けていた。