妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
「それではカテリアーナ姫。我々の役目はここまでです。どうかお元気で」

 騎士団長は跪くと、騎士団を代表して別れの挨拶を告げる。

「ここまでご苦労様でした。気をつけてお帰りなさい」

 ここまで護衛をしてくれた騎士団を労うカテリアーナの笑顔に応えるように、騎士団長は一礼する。だが、騎士団長の強面には申し訳ないというような表情が浮かんでいた。

 湖の向こう岸にはラストリア王国騎士団が待機しているのが見える。騎士団長が戻ってくるのを待っているのだ。

 騎士団長は乗ってきた舟を再び向こう岸に向かって漕ぎ出す。向こう岸に着くとカテリアーナがいるほうへ振り返り一礼する。

 ラストリア王国騎士団が去っていくのを見送り、カテリアーナはエルファーレン王国側の国境へと歩いていく。

 これから隣国であるエルファーレン王国へと嫁ぐのだが、王女であるカテリアーナがなぜ国境で一人取り残されているのかというと――。
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