妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 やがてノワールは一つの部屋の前で止まると、扉に前足をかける。

「ここに何かあるの?」

 息を切らせながら、ノワールに尋ねるとうにゃんと鳴く。

 カテリアーナは深呼吸をして息を整えると、扉を開く。


 部屋の中に入ると絵画がたくさん置いてあった。王宮で使われなくなったものを収納してあるのだろう。絵画はどれも古い。

 ノワールは正面にかけられた肖像画に近づくと、にゃあと鳴く。

 その肖像画には少女が描かれていた。青いドレスを着て、微笑む少女は可憐でどこか懐かしい感じがする。淡い金色の髪、カテリアーナと同じエメラルドグリーンの瞳。

「もしかしておばあさま? これはおばあさまの少女の頃の肖像画なのかしら?」

 クローディアはラストリア王国の王女だった。しかし、クローディアには兄弟姉妹がおらず、王位を継承するには婿を取るしかなかったのだ。しかもラストリア王国は女性君主を認めていない。
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