妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 最近、アデライードの訪問がなくなったので不思議に思っていたのだが、どうやら隣国オルヴァーレン帝国の第二皇子との婚約が決まったらしい。

 見張りの兵士たちはおしゃべりなので、自然とカテリアーナの耳にも入ったのだ。

 アデライードが来なくなってからは、カテリアーナは頻繁に鍵を使って、エルファーレン王国へと通っていた。

 エルファーレン王国へ逃げることを拒否はしたものの、あの田園は好きに使っていいとノワールが言ったからだ。

 正直、ノワールの親切は嬉しかった。

 カテリアーナはここで野菜や薬草を育てている。

 育てた野菜は収穫してお腹いっぱい食べるのだ。

 おかげで毎食パンと水だけの味気ない食事も我慢することができた。

 ノワールはというと、時々ここを訪れてカテリアーナの作った料理を食べに来る。
< 47 / 203 >

この作品をシェア

pagetop