妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
北の塔の石壁とつながっている木の扉は一軒の家の扉になっているのだ。鍵を使わなければ普通に住めるようになっている。炊事場と居室のみの小さな家だが、優しい木の香りがするこの家をカテリアーナは気に入っていた。
「王女として育ったわりには料理が上手いな」
「上手ではないけれど、時々、調理場に入り込んで薬膳料理の研究をしていたから人並には料理はできるわ」
「なるほど」
カテリアーナが作った野菜のゼリーを食べながら、ノワールは納得する。
食べ終わった後、ノワールはアメジストの瞳をカテリアーナに向ける。真摯な眼差しだ。カテリアーナも思わず居住まいを正す。
「カティ、成人したら正式にエルファーレン王国へ招待しよう」
「え? そんなことができるの?」
「上のほうに少しばかり顔が効くのだ。エルファーレン王宮からの正式な招待であれば、ラストリア国王も拒否はするまい」
「成人まであと二年と少しね。その日が楽しみだわ。ノワールが迎えに来てくれるの?」
「ああ。約束しよう」
しかし、ラストリア国王がこの時ある思惑を持っていたことをカテリアーナは知らない。
「王女として育ったわりには料理が上手いな」
「上手ではないけれど、時々、調理場に入り込んで薬膳料理の研究をしていたから人並には料理はできるわ」
「なるほど」
カテリアーナが作った野菜のゼリーを食べながら、ノワールは納得する。
食べ終わった後、ノワールはアメジストの瞳をカテリアーナに向ける。真摯な眼差しだ。カテリアーナも思わず居住まいを正す。
「カティ、成人したら正式にエルファーレン王国へ招待しよう」
「え? そんなことができるの?」
「上のほうに少しばかり顔が効くのだ。エルファーレン王宮からの正式な招待であれば、ラストリア国王も拒否はするまい」
「成人まであと二年と少しね。その日が楽しみだわ。ノワールが迎えに来てくれるの?」
「ああ。約束しよう」
しかし、ラストリア国王がこの時ある思惑を持っていたことをカテリアーナは知らない。