妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 何やらノワールにはぐらかされた気がするが、エルファーレンの国王はノワールの主なのだ。悪い人……妖精ではないのだろう。そう思うことにした。それにエルファーレン王国へ行けば、ノワールと頻繁(ひんぱん)に会えるかもしれない。それだけがカテリアーナの楽しみだった。

 果樹園で桃をもぎ、いつものように家の厨房でノワールとスイーツ作りをする。熟れた桃は全て収穫してきたので、たくさんスイーツを作った。

 食べきれないほどの量をカテリアーナは全部ぺろっとたいらげた。ノワールは桃のタルトを数切れ食べたくらいだ。

「しかし、大食いだな。カティは……。これは養うのが大変そうだ」
「何よ。ノワールに養ってもらうわけではないわ。エルファーレン王国の王妃の予算は食費多めでお願いと伝えておいてちょうだい」
「承知した」
< 64 / 203 >

この作品をシェア

pagetop