妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナは大食いなのだ。肉や魚などの動物の油は受けつけないが、野菜と果物を大量に食べる。

「ねえ、ノワール。ここはエルファーレン王国の王都と近いの?」
「いや。少し遠いな」

 ノワールはカテリアーナの考えていることが分かったようだ。はっとする。

「王妃になっても農作業をする気か?」
「ノワールがここを提供してくれたんじゃない。途中で放り出す気はないわ」
「それならば王宮にカティ専用の庭園いや農園か? を作るように進言しよう。ここの野菜や薬草などのカブを移せばよい」
「そこまでしてもらうわけにはいかないわ」

 ノワールがエルファーレン国王に進言するほどの立場であることは、言葉の端々で伺える。だが、ノワールにそこまで借りを作るわけにはいかない。

「それにね……一晩考えていて思いついたことがあるのよね」
「何だ?」
「秘密!」

 むうとノワールが不満そうに唸るので、カテリアーナはクスクスと笑った。
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