妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
侍女が王女に対してとっていい態度ではないのだが、カテリアーナは注意する気はない。彼女たちに会うことは二度とないからだ。
それに国境の中洲までは半日の道程なのだ。エルファーレン王国との国境からはたった一人で歩いて行かなければならない。髪を結い上げたところで乱れてしまうだろう。
「かしこまりました」
そういうと侍女長はカテリアーナの髪を櫛で整える。だが、梳き方が荒く痛い。カテリアーナは思わず顔を顰める。
カテリアーナは十二歳で塔に閉じ込められて以来、自分で服を着て髪を整えていたため、人に支度してもらうのには慣れていない。
ふと、用意された飾りにカテリアーナは目を留める。
「その髪飾りは?」
見慣れた花の髪飾りは、ノワールから贈られた花のティアラに使われていたものだ。ドレスや装飾品とともにアデライードに奪われた花のティアラ。ただ、ティアラの形はしていない。花だけ寄せ集めて作った飾りだ。
「これは……その……飾りが大変凝っていて美しいものですので、髪飾りとして作り替えたものです。それに元々カテリアーナ様のものですので」
「そう」
侍女長は言い淀んでいたが、カテリアーナは推測することができた。
それに国境の中洲までは半日の道程なのだ。エルファーレン王国との国境からはたった一人で歩いて行かなければならない。髪を結い上げたところで乱れてしまうだろう。
「かしこまりました」
そういうと侍女長はカテリアーナの髪を櫛で整える。だが、梳き方が荒く痛い。カテリアーナは思わず顔を顰める。
カテリアーナは十二歳で塔に閉じ込められて以来、自分で服を着て髪を整えていたため、人に支度してもらうのには慣れていない。
ふと、用意された飾りにカテリアーナは目を留める。
「その髪飾りは?」
見慣れた花の髪飾りは、ノワールから贈られた花のティアラに使われていたものだ。ドレスや装飾品とともにアデライードに奪われた花のティアラ。ただ、ティアラの形はしていない。花だけ寄せ集めて作った飾りだ。
「これは……その……飾りが大変凝っていて美しいものですので、髪飾りとして作り替えたものです。それに元々カテリアーナ様のものですので」
「そう」
侍女長は言い淀んでいたが、カテリアーナは推測することができた。