妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
徐々に揺れが緩やかになったかと思うと、馬車が停止する。
「どうやら休憩をとるようだ。外に出てみるか?」
「はい。ぜひ!」
自ら馬車の扉を開いたフィンラスは先に降りると、カテリアーナに手を差し伸べる。フィンラスの手をとろうとした瞬間、ふいに浮遊感がカテリアーナを襲う。
フィンラスがカテリアーナを抱きあげ、地面に下ろされたのだと気づくのに時間がかかった。
「カテリアーナは軽いな。きちんと食事をしているのか?」
「な! しておりますわ!」
赤くなった頬をフィンラスに見せないように、カテリアーナはぷいとそっぽを向く。
実を言うと、ここ三日ほどまともに食事をしていない。塔から王宮へと移されたカテリアーナに提供された食事はパンと水だけだった。
国境までの道のりでアイザックがこっそり用意してくれた果物を食べて、ようやく空腹が満たされたのだ。
拗ねたカテリアーナを見ながら含み笑いをしているフィンラスの下に白茶色の髪の青年がバスケットを持ってやってきた。
「陛下、カテリアーナ姫。お疲れ様です。お茶を持ってまいりましたので、ただいまご用意いたします」
「どうやら休憩をとるようだ。外に出てみるか?」
「はい。ぜひ!」
自ら馬車の扉を開いたフィンラスは先に降りると、カテリアーナに手を差し伸べる。フィンラスの手をとろうとした瞬間、ふいに浮遊感がカテリアーナを襲う。
フィンラスがカテリアーナを抱きあげ、地面に下ろされたのだと気づくのに時間がかかった。
「カテリアーナは軽いな。きちんと食事をしているのか?」
「な! しておりますわ!」
赤くなった頬をフィンラスに見せないように、カテリアーナはぷいとそっぽを向く。
実を言うと、ここ三日ほどまともに食事をしていない。塔から王宮へと移されたカテリアーナに提供された食事はパンと水だけだった。
国境までの道のりでアイザックがこっそり用意してくれた果物を食べて、ようやく空腹が満たされたのだ。
拗ねたカテリアーナを見ながら含み笑いをしているフィンラスの下に白茶色の髪の青年がバスケットを持ってやってきた。
「陛下、カテリアーナ姫。お疲れ様です。お茶を持ってまいりましたので、ただいまご用意いたします」