妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
ノワールとの思い出に浸っていると、一人の騎士が慌ただしくこちらへやってきた。申し訳なさそうに一礼すると、カルスに何やら耳打ちをする。
今まで穏やかだったカルスの顔が険しいものへと変わる。
「少し失礼いたします。陛下もともによろしいですか?」
「ああ。カテリアーナ、すまないが少し席を外す。護衛をつけるから、ここでくつろいでいてくれ」
二人は立ち上がると、先頭の方へ向かっていく。何かトラブルがあったのだろう。
カテリアーナは微笑みながら、二人の背に手を振る。
「わたくしのことはお気になさらないでください」
フィンラスとカルスと入れ替わりに騎士が二人こちらにやってくる。
「チャンスが巡ってきたようね」と騎士に聞こえないようにカテリアーナは呟いた。
◇◇◇
戻ってきたフィンラスとカルスを待っていたのは、もぬけの殻になった馬車だった。
「やられたな」
「やっとフィルにも春がやってきたと思ったら、あっという間に去っていったな」
「茶化すな、カル。それより、このことは俺たち以外に漏れていないな」
「もちろん! 最初に馬車の中を見たのは私だからね」
今まで穏やかだったカルスの顔が険しいものへと変わる。
「少し失礼いたします。陛下もともによろしいですか?」
「ああ。カテリアーナ、すまないが少し席を外す。護衛をつけるから、ここでくつろいでいてくれ」
二人は立ち上がると、先頭の方へ向かっていく。何かトラブルがあったのだろう。
カテリアーナは微笑みながら、二人の背に手を振る。
「わたくしのことはお気になさらないでください」
フィンラスとカルスと入れ替わりに騎士が二人こちらにやってくる。
「チャンスが巡ってきたようね」と騎士に聞こえないようにカテリアーナは呟いた。
◇◇◇
戻ってきたフィンラスとカルスを待っていたのは、もぬけの殻になった馬車だった。
「やられたな」
「やっとフィルにも春がやってきたと思ったら、あっという間に去っていったな」
「茶化すな、カル。それより、このことは俺たち以外に漏れていないな」
「もちろん! 最初に馬車の中を見たのは私だからね」