妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 するすると木を下りていくカテリアーナを見て、ノワールはふっとため息を吐く。

「まるでサルのようだな」
「失礼ね! 身軽と言ってほしいわ!」

 トンと地に足をつけると、カテリアーナはノワールの前で仁王立ちする。

「ノワールもフィンラス様と一緒に来ていたの?」
「ずっといたぞ」

 カテリアーナは考え込む。あの中にノワールはいなかったはずだ。

「いたのなら、どうして声をかけてくれなかったの?」
「それより街道に戻るぞ。この森は治安が悪い」
「いやよ」
「どうせあの場所に行くつもりなのだろう? どうやって行くつもりだったのだ」

 カテリアーナは持っていた小さなトランクを開けると、地図を出して広げる。塔の中を探検していた時に偶然見つけたエルファーレン王国の地図だ。
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