妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 彼らの会話を聞きとがめたカテリアーナは反論する。

「わたくし、ハイエルフではないわ。人間よ」

 ハイエルフという種族はカテリアーナも知っている。子供の頃に読んだ絵本に出てきたからだ。

「そういえば、耳長じゃないな。人間にしてはきれいすぎる。ハーフエルフか?」

 妖精と他種族の混血をハーフエルフというのだが、ラストリア王国ではそのような単語は使われないので、カテリアーナは首を傾げる。

「ハーフエルフとは妖精の血が混じっている者のことだ」

 カテリアーナの疑問に答えてくれたのは、ノワールだった。

「そうなの? では『妖精の取り替え子』は何と言うの?」
「おい! 娘、お前『妖精の取り替え子』なのか?」

 ブチ猫がカテリアーナに詰め寄る。

「そう言われて育ったけれど本当はどうなのか、わたくしにも分からないの」
「『妖精の取り替え子』なんざ、三百年間行われたことはないはずだぜ。もし、本当ならエルファーレンの国王が黙っていないはずだけどな」
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