妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 だが、カテリアーナが十六歳になるまでエルファーレン王国は人間の国に接触してこなかった。もし、カテリアーナが生まれた時にエルファーレンの国王が『妖精の取り替え子』に気づいていれば、ラストリア王国に抗議してきたはずだ。

「そうであれば、わたくしは人間ということになるのだけれど……」

 ブチ猫は思案するように前足を組む。

「姉ちゃんが人間なら売るわけにはいかねえな。妖精石(エルフストーン)を置いて、人間の国に帰りな。今回は見逃してやる」
「そういうわけにもいかないわ。わたくし、エルファーレン王国にお嫁にきたのよ」

 相手がエルファーレンの国王フィンラスということは黙っておく。

「何で人間が妖精に嫁入りするんだ。そんな話は聞いたことがねえぞ」

 その時、ものすごい地響きとともにツリーハウスが揺れる。
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