本能で恋をする
4時間後、ホテルロビーにて――――


「江川さん?」
ロビーで、キョロキョロしてる女性がいた。
「あ、はい。えーと、川枝さんですか?」

正直、びっくりだった。
ワガママ言うような、女だ。もっときつい顔をしてると思っていた。
そこにいたのは、綺麗な可愛らしい女性だった。

でも海斗様は私のモノ。渡したくない。



「突然、すみません。
こんなとこまで呼び出して………」
「いえ。何も予定なかったし、もしタイミング良ければ、海斗と帰れるかなって!」
ニコッと微笑む、彼女。
男なら、惚れそうだ。




ホテル一階にある、カフェに誘った。
「え……?
海斗が?そんなことを………。
まさ、か……そんなこと……」

「本当です。昨日も会いたいみたいなこと、海斗様におっしゃったんですよね?
鬱陶しいって言ってました」
「う、そ…?そんな……。そんな訳ないです。海斗が、そんな…
はぁはぁはぁ……」
彼女は耳を塞ぎ、パニックに陥った。
「海斗様はあなたと別れて、私と結婚したいといってるんですよ。
嘘だと思うなら、後で部屋に来てください」

そう言って、部屋番号を書いた紙を渡した。
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