本能で恋をする
「なんだよ。これ……?」
凛音は震えている。
俺は凛音を抱き締め、
「大丈夫だよ!俺がいるから……
例の非通知のやつ………?」

「たぶん……
最近になってよく…………」

「よくって……、これが初めてじゃないの?」
初めて知った。電話以外は何もないと思っていた。
「うん……ごめんなさい…黙ってて。
海斗が知ったら傷付くと思って……」

「だからって……!
何かあったらすぐに言えって言ったよな!
まぁ、それはもういい!
今までのは?残してる?全部見せて!」
「え?捨てちゃった。怖くて……」

「そうか…
これからは全部残しておくんだよ。それで今度はその都度俺に見せて!
いざとなったら、警察に相談も考えないとだし。証拠は沢山あった方がいいから」

「警察なんて……大げさだよ!
私は大丈夫だから」
凛音は有り得ないと言うような顔をして言った。
「ダメ!俺が許さない」
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