本能で恋をする
同窓会終盤――――

「なぁ、みんな二次会どうする??」
幹事が言う。
「えりぃ、どうするの?」
「え?あ、う…ん。
どーしょーかなぁー?」
酔っている。かなり……
「亮ぉくんが、ふたりいるぅー。
あはは……」
誰だよ、こんな飲ませたの!

「ちょっ…凛音飲み過ぎ!」
君加が心配そうに、えりぃからグラスを奪った。
「えー。きみちゃんとおんなじくらいしか、のんでないよぉ」
「私は強いの!凛音弱いんだから!もう!こらっ!新しいグラス取らないの!!」

「えー」

「ちょっと、亮!凛音支えてて。私、海斗くんに連絡するから!どうせ、アイツのことだから、この近くのどっかで連絡待ってるはずだから!」
「おぉ、わかった!」
俺はえりぃの肩を持ち、支えた。えりぃは俺の胸に頭を擦りよせてきた。
なんだ、この可愛い生き物は…………。

「もしもし。海斗くん?私、君加。――うん、うん。そう、もうすぐ終わるとこ。
凛音、めっちゃ酔っちゃって。――そう。うん――――」



「へ?海斗ぉー?どこぉー?」
なんでアイツばっか!
今抱き締めてるのは、俺なのに。
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