本能で恋をする
「ンンン……やぁ……っつ…も、うダメぇ……」
さっきから執拗に、身体中責められ、身体が敏感に反応する。
嫌なのに、心は嫌で堪らないのに、身体は全くの正反対に反応して、喜ぶのだ。
声も抑えることができずに、溢れてくる。

声を抑えたくて、自分の口唇を噛んだ。
「あ、ダメですよ。
あなたの身体が傷つくのは、僕の本意ではないので」
「ンンン…」
そう言って、血の出た口唇を舐められキスされた。






「もう…いい…です。
好きにしていいから。早く海斗のとこに返して」
早く海斗のとこに――――

「なぜ?
なんで、あなたはいつも“海斗”なんです?」
「え?」
「僕の方が先に、あなたを見つけたのに」
「え?鴨志田さんと初めて会ったのは、海斗と出逢った後ですよ」
「それは、あなたが覚えてないだけです。
僕は海斗がバイトする以前から、あのカフェに行ってたんですよ」

―――嘘?知らなかった。
「一目惚れです。あなたの笑顔にいつも救われてました。」
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