本能で恋をする
痛、くない…??
「え………?」




「……っつ」
パタッ―――
「凛音!!!!」

凛音の腹にナイフが…………
「凛音!!!しっかりしろ!?凛音!!!」
少しずつ顔色がなくなってく……
頬も、口唇も。
「いやだ………逝くな……凛音!!!」

「海斗!!!あまり動かすな!!今、救急車呼んだから!!」
親父が横で言う。





感情がなくなる―――――あの時のように……
「海、斗?お前何を……?」
アイツ――木野 亮平――を半殺しにしたあの時のように。


殺してやる!今すぐにコイツを……地獄に……





「……めて。……いと…。」
凛音の、小さな声が耳に入った。


「凛音!!!」
すぐさま駆け寄る。
凛音は弱々しく、俺の服の袖を掴み、
「だ…め…だよ。こんな…こと、しても…何も、終わら…ない。
私は……大、丈夫だか…ら。そばにい、て」
「凛音!!!」
俺は感情を取り戻し、凛音の頭を撫でた。
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