キスマーク
そんな私への罰とでもいうのだろうか。
「ごめん、俺たち離れた方がいいと思う」
「どうして...?」
「...お前にはもっといい人がいるよ」
うそ、そんなのうそじゃん。
そう言って私のことを考えるふりするくらいなら、あなたがそばにいてよ。
首のそれも、絆創膏なんかで隠さないで。
「またな」
また、なんてないくせに。
私は彼が出ていった扉をただ見つめているだけしかできなかった。
結局最後まで言いたいことは何ひとつも言えないまま。
俗に言う人肌恋しい季節だった。
私を温めてくれる人はもういない。
〜END〜