夜明けを待つ私たち
別に

先生に特別扱いされていて困る事はない


ただ


期待に応えないと

名前に恥じないようにしないと 

みんなに憧れを持たれないと



そんなプレッシャーを感じるだけだ




そんなことを考えていると

いつのまにか一日は終えていた




あぁ、もうあの家に帰るのか



家にいても

私は肩の力を抜けない


そんなのここにいるのと同じじゃない。




帰りたくないな




なんて考えている頭の中とは別に

体はもう校門に向かっていた



以前、お友達と少し話をしてしまい

帰るのが遅くなってはまったことがあった


その時、珍しくすみれさんは私の頬を叩いた


「こんな時間になるまで外にいるなんて…結、あんたは花澤家唯一の失敗作になりたいのかい?」



こんな事何年も前のことなのだから

もう忘れていたと思っていたけれど

どうやら体は覚えているようだ






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