夜明けを待つ私たち
校門に着くと沢山の令嬢たちが

迎えの車に乗り込んでいくのが見えた




「結さんごきげんよう」


「ごきげんよう、花澤さん」


「結さん、ごきげんよう」




「ごきげんよう」




沢山の令嬢に別れを告げながら

花澤家の紋章の入った車を探す


だが、私の迎えの車はどこにもなかった


ふと時計を見れば4時半を指していた

いつもなら、草刈さんが来てるのに…


周りの令嬢たちはほとんど帰ってしまっている



キョロキョロと周りを見渡し

私は校門の横にある小さな扉に手をかけた


珍しく警備員も、鍵もかかっていない



防犯的に大丈夫なのかしら…



なんて思いながら

私は扉を押す手にグッと力を入れ


一歩踏み出した


 


なぜこの時私は踏み出してしまったのだろう




いつもなら

何も考えずここで待っているのに


なぜかあの時は

誰かに呼ばれているように感じ

私は初めて道を1人で歩いてしまった
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