王子と社長と元彼に迫られています!
『土曜日だし本当は一緒にどこかに出かけたいところだけど、あいにくこの週末は二日とも仕事なんだ。』朝目が覚めて、クロワッサン、スクランブルエッグ、ベーコン、コーヒーの朝食を二人でとった後、暁さんはそう言って家まで車で送ってくれた。ワインで染まったワンピースは綺麗に洗濯してくれていた。
彼のことを信じてはいたけれど、念の為寝室の鍵は締めて寝た。けれど朝起きた時に『実は鍵かけてもこの鍵で開くんだけどな。』とニヤリとしながら鍵を見せられて、さすが悪魔・・・と思った。でも彼が私を大切に扱ってくれていることがわかって、胸がキュンとしたのだった。
家に帰り部屋着に着替えているとインターホンが鳴る。暁さんが何か言い忘れたのだろうかと思い出ると、切羽詰まった表情をした優悟が画面に映った。
「どうし・・・!?」
玄関のドアを開けた途端抱きすくめられる。別れてから彼にこういう風にされることも、彼の切羽詰まった表情を見ることも増えた。付き合っていた時は私に興味がなさそうだったから、そんな彼を見る度に心が揺さぶられるようだった。
「大丈夫か!?千咲が変な女達にワインかけられたみたいでドS社長が助けに来て・・・キスして・・・そいつの家に泊まって・・・。」
「・・・だ、大丈夫だよ。夢でしょ?」
正直毎回こんな風に嘘をつくのは苦しい。このままだと嘘に嘘を重ねていくことになる。もうそろそろ彼が夢で見ていることが実際に起こった出来事だと、言ってしまった方がいいのではないか。
「・・・そ、そうだよな、ついついいてもたってもいられなくなっちゃって・・・朝から悪かったな。」
ドアから出ていこうとする優悟がスーツを着ていることに気がついた。急いで出てきたのかコートの前も開けたままだった。髪もかなり乱れている。
「今日仕事なの?」
「昼から同期の結婚式なんだ。」
そう言われてよく見るとスーツではなく礼服でネクタイも白だった。
「そっか、柚香がそんなこと言ってた・・・もし時間あるならお茶でも飲んでったら?」
思わずそう言うと優悟は『・・・おお。』と嬉しそうにドアを閉めた。頬にわずかに赤みがさしていて、そのことに私の心はまた動揺させられるのだった。
彼のことを信じてはいたけれど、念の為寝室の鍵は締めて寝た。けれど朝起きた時に『実は鍵かけてもこの鍵で開くんだけどな。』とニヤリとしながら鍵を見せられて、さすが悪魔・・・と思った。でも彼が私を大切に扱ってくれていることがわかって、胸がキュンとしたのだった。
家に帰り部屋着に着替えているとインターホンが鳴る。暁さんが何か言い忘れたのだろうかと思い出ると、切羽詰まった表情をした優悟が画面に映った。
「どうし・・・!?」
玄関のドアを開けた途端抱きすくめられる。別れてから彼にこういう風にされることも、彼の切羽詰まった表情を見ることも増えた。付き合っていた時は私に興味がなさそうだったから、そんな彼を見る度に心が揺さぶられるようだった。
「大丈夫か!?千咲が変な女達にワインかけられたみたいでドS社長が助けに来て・・・キスして・・・そいつの家に泊まって・・・。」
「・・・だ、大丈夫だよ。夢でしょ?」
正直毎回こんな風に嘘をつくのは苦しい。このままだと嘘に嘘を重ねていくことになる。もうそろそろ彼が夢で見ていることが実際に起こった出来事だと、言ってしまった方がいいのではないか。
「・・・そ、そうだよな、ついついいてもたってもいられなくなっちゃって・・・朝から悪かったな。」
ドアから出ていこうとする優悟がスーツを着ていることに気がついた。急いで出てきたのかコートの前も開けたままだった。髪もかなり乱れている。
「今日仕事なの?」
「昼から同期の結婚式なんだ。」
そう言われてよく見るとスーツではなく礼服でネクタイも白だった。
「そっか、柚香がそんなこと言ってた・・・もし時間あるならお茶でも飲んでったら?」
思わずそう言うと優悟は『・・・おお。』と嬉しそうにドアを閉めた。頬にわずかに赤みがさしていて、そのことに私の心はまた動揺させられるのだった。