王子と社長と元彼に迫られています!
「ああああ!ごめんなさい!!」
椅子から飛び降り床にひざまづく。とにかく早く拭かなきゃと思い、タオルハンカチでポンポンと拭きながら顔も見ずに謝るが彼は無言てある。ものすごい怒ってるのかも・・・そりゃそうだよね。
「本当にごめんなさい!!どうしよう・・・熱・・・くはないけど、スーツが・・・。」
「・・・会社にもう一着あるから。」
落ち着いた低い声が鼓膜を震わせた───まれに聞くイケボで、耳もウキャキャと喜んでいる。眼福ならぬ、耳福だ・・・ってそれどころじゃないし。
「でも、このままじゃ会社まで行くのも恥ずかしいし、あ!クリーニング代!」
そう言ってお財布を出そうとして顔を上げると、彼と目があった。
───う、わぁ・・・。
イケボが似合う美しい顔だった。奥二重で切れ長の目に高い鼻、漆黒の瞳に少し癖のある黒髪。なんていうか、顔面から色気が溢れている。
「金はいい。」
見とれているとその絶妙な厚さの唇が動いた。
「いえっ!そんなわけには!えーっと、5000円しかないけど・・・。」
礼服だと一万円くらいかかるけれど、普通のスーツなら5000円あればお釣りが来るはずだ。でも何だか見るからに高そうなスーツだし足りないかもしれない。
「だから金はいい。」
「でも・・・。」
「連絡先教えろ。」
椅子から飛び降り床にひざまづく。とにかく早く拭かなきゃと思い、タオルハンカチでポンポンと拭きながら顔も見ずに謝るが彼は無言てある。ものすごい怒ってるのかも・・・そりゃそうだよね。
「本当にごめんなさい!!どうしよう・・・熱・・・くはないけど、スーツが・・・。」
「・・・会社にもう一着あるから。」
落ち着いた低い声が鼓膜を震わせた───まれに聞くイケボで、耳もウキャキャと喜んでいる。眼福ならぬ、耳福だ・・・ってそれどころじゃないし。
「でも、このままじゃ会社まで行くのも恥ずかしいし、あ!クリーニング代!」
そう言ってお財布を出そうとして顔を上げると、彼と目があった。
───う、わぁ・・・。
イケボが似合う美しい顔だった。奥二重で切れ長の目に高い鼻、漆黒の瞳に少し癖のある黒髪。なんていうか、顔面から色気が溢れている。
「金はいい。」
見とれているとその絶妙な厚さの唇が動いた。
「いえっ!そんなわけには!えーっと、5000円しかないけど・・・。」
礼服だと一万円くらいかかるけれど、普通のスーツなら5000円あればお釣りが来るはずだ。でも何だか見るからに高そうなスーツだし足りないかもしれない。
「だから金はいい。」
「でも・・・。」
「連絡先教えろ。」