王子と社長と元彼に迫られています!
暁さんがロビーにつながるドアを開けようとした瞬間、彼のスマホが震えた。
「くそ・・・なんだよ・・・。」
苛立った彼により私は床に下ろされた。口調は怒っているのに、ゆっくりと慎重に立たせてくれた。
「もしもし・・・何!?全く社長っていうのは気分屋が多くて困る。こっちの都合も考えてほしい・・・わかった、すぐ戻る。」
通話を終えて私の方に向き直った暁さんはすっかり仕事の顔になっていた。
「今から会いに行くはずの会社の社長が、近くまで来たからってうちの会社まで来てしまったようだ。受付から連絡があっても秘書がいればロビーで待たせておいてくれるんだが、もう退社していて他の者が対応したから通してしまったらしい。今から会社に戻る。」
「そうなんだ、大変ですね、お疲れ様です・・・その、じゃ、私はこれで。」
ホッとしてドアを開けようとノブを掴んだ私の手の上に暁さんの手か重ねられ、唇にも彼の唇が一瞬重なった。
「乱暴なことして悪かった。でも、俺がちさのこと本気で好きなのは信じてほしい。」
「・・・はい。」
彼の顔を見ずに頷いてドアを開けてロビーに出てから振り返ると切ない表情で私を見ていた。胸がチクチク痛むのを感じながらゆっくりとドアを閉めた。
出口に向かって歩き、ちょうどロビーの真ん中に差し掛かった時、突然何者かにがばっと抱きしめられた。
「くそ・・・なんだよ・・・。」
苛立った彼により私は床に下ろされた。口調は怒っているのに、ゆっくりと慎重に立たせてくれた。
「もしもし・・・何!?全く社長っていうのは気分屋が多くて困る。こっちの都合も考えてほしい・・・わかった、すぐ戻る。」
通話を終えて私の方に向き直った暁さんはすっかり仕事の顔になっていた。
「今から会いに行くはずの会社の社長が、近くまで来たからってうちの会社まで来てしまったようだ。受付から連絡があっても秘書がいればロビーで待たせておいてくれるんだが、もう退社していて他の者が対応したから通してしまったらしい。今から会社に戻る。」
「そうなんだ、大変ですね、お疲れ様です・・・その、じゃ、私はこれで。」
ホッとしてドアを開けようとノブを掴んだ私の手の上に暁さんの手か重ねられ、唇にも彼の唇が一瞬重なった。
「乱暴なことして悪かった。でも、俺がちさのこと本気で好きなのは信じてほしい。」
「・・・はい。」
彼の顔を見ずに頷いてドアを開けてロビーに出てから振り返ると切ない表情で私を見ていた。胸がチクチク痛むのを感じながらゆっくりとドアを閉めた。
出口に向かって歩き、ちょうどロビーの真ん中に差し掛かった時、突然何者かにがばっと抱きしめられた。