王子と社長と元彼に迫られています!
「千咲・・・!?」
固まってしまい声が出ないでいる私より先に優悟が口を開いた。
「・・・本当に会えるとはな。映像を使った玩具の企画が立ち上がっててさ、ミーティングの時展示会に行く社員を募ってたから、もしかしたら千咲に会えるかも、なんて思って手を挙げたんだ。」
「・・・。」
───そっか。彼女は同じ会社なんだもんね・・・でも私に会いたかったって・・・?
「?デコ、どうかした?」
優悟が近づいてきておでこに当てている手をどけた。
「赤くなってる。ぶつけた?」
「うん・・・。」
「上のコンビニに冷やすシート売ってると思うけど、とりあえずこれで冷やしたら?そこの自販で買ったばっかりたから。」
そう言って手に持っていたスポーツ飲料のペットボトルをおでこに当ててくれる。
「智樹に千咲が普通に元気だったって聞いて安心した。夢で医務室みたいなところにいて早退してたからさ。心配して医務室に来た社長に原因はやけ食いって言ってたけど、千咲やけ食いとかするタイプじゃないのになって思った。でもその前の日の夢でもお台場に行こうって誘いに来た王子に『体調悪い。』って言って断ってたし・・・って思ったらどうしても無事か確認したくて。俺、夢に振り回され過ぎだよな。智樹にも悪いことしたよ。せっかくの休みに使い頼んじゃったりして。今度奢らなきゃな。」
「・・・。」
───言わなきゃ、優悟が見ている夢が現実だってこと。
私が無言でいることを彼は否定的な意味で受け取ったようで、ペットボトルはそのままで沈んだ様子で俯いた。
「ごめん、もう俺と関わりたくないよな。メッセージも未読のままだし、通知オフとかにされたのかなって思って。」
「違う、そうじゃなくて、優悟、実はね・・・。」
「あれ?」
優悟に真実を打ち明けようとした時、後ろから声がした。振り向くと先程の女性───優悟の今カノ───がトイレから出てきたところだった。
思わず優悟から離れる。彼女は一瞬だけキョトンとしていたがすぐに優しい微笑みを浮かべ『トイレの前というのもあれなので場所変えましょうか?』と言った。
固まってしまい声が出ないでいる私より先に優悟が口を開いた。
「・・・本当に会えるとはな。映像を使った玩具の企画が立ち上がっててさ、ミーティングの時展示会に行く社員を募ってたから、もしかしたら千咲に会えるかも、なんて思って手を挙げたんだ。」
「・・・。」
───そっか。彼女は同じ会社なんだもんね・・・でも私に会いたかったって・・・?
「?デコ、どうかした?」
優悟が近づいてきておでこに当てている手をどけた。
「赤くなってる。ぶつけた?」
「うん・・・。」
「上のコンビニに冷やすシート売ってると思うけど、とりあえずこれで冷やしたら?そこの自販で買ったばっかりたから。」
そう言って手に持っていたスポーツ飲料のペットボトルをおでこに当ててくれる。
「智樹に千咲が普通に元気だったって聞いて安心した。夢で医務室みたいなところにいて早退してたからさ。心配して医務室に来た社長に原因はやけ食いって言ってたけど、千咲やけ食いとかするタイプじゃないのになって思った。でもその前の日の夢でもお台場に行こうって誘いに来た王子に『体調悪い。』って言って断ってたし・・・って思ったらどうしても無事か確認したくて。俺、夢に振り回され過ぎだよな。智樹にも悪いことしたよ。せっかくの休みに使い頼んじゃったりして。今度奢らなきゃな。」
「・・・。」
───言わなきゃ、優悟が見ている夢が現実だってこと。
私が無言でいることを彼は否定的な意味で受け取ったようで、ペットボトルはそのままで沈んだ様子で俯いた。
「ごめん、もう俺と関わりたくないよな。メッセージも未読のままだし、通知オフとかにされたのかなって思って。」
「違う、そうじゃなくて、優悟、実はね・・・。」
「あれ?」
優悟に真実を打ち明けようとした時、後ろから声がした。振り向くと先程の女性───優悟の今カノ───がトイレから出てきたところだった。
思わず優悟から離れる。彼女は一瞬だけキョトンとしていたがすぐに優しい微笑みを浮かべ『トイレの前というのもあれなので場所変えましょうか?』と言った。