王子と社長と元彼に迫られています!
展示場の2階にあるコンビニでおでこを冷やすシートを購入し、お店を出てから隅の方で貼る。気持ちがざわめいていて全身が熱く、おでこ以外にも貼りたい気分だった。
コンビニの隣にはドリンクや軽食を売っているスタンドがあって、その前には白くて丸いテーブルと椅子が並んでいた。優悟と彼女は先にドリンクを購入し席について何かを話していた。
───やっぱりお似合いだな・・・。私、このまま帰った方がいいんじゃないかな・・・。
そんなことを思っていると注文したドリンクを店員さんが渡してくれた。
緊張しながら二人が座る席に近づくと彼女がすっと立ち上がった。やはり身長が高く、ローヒールでも160cm台後半くらいありそうだ。
「おでこ、大丈夫ですか?」
「はい、すみません、あはは、スーツにこんなの貼ってカッコ悪いですよね、へへ。」
「大丈夫です。前髪で隠れてるから目立たないですよ。」
若い女子にデレるおじさんのように笑う私に彼女は優しく返してくれた。
「申し遅れました。私、瀬良さんの一年後輩の友野静菜と申します。」
そう言って名刺を差し出してくれたので慌てて『頂戴致します。』と両手で受け取ってから自分の名刺を取り出し『鈴丘千咲です。』と言いながら渡すと彼女───友野さん───も『頂戴致します。』と言って受け取った。
「すごい、Ampersand Plusにお勤めなんですね。」
「い、いえ、その、派遣だし。」
「雇用形態なんて関係ないです。お一人で会社の代表として来られてるなんてすごいですよ。」
「は、はは、どうも・・・。」
「どうぞ。座りましょ。」
友野さんがそう言って椅子に腰を落としたので自分も座ろうとして肘掛けにお尻をぶつけてしまうが、二人には気づかれていないようだった。
───これからここでどんな話が始まるんだろう・・・。
穏やかでゆったりとした様子の友野さん、いつも通り飄々とした優悟、そしてガチガチに緊張している私が囲むテーブルに漂うのはまるでお天気雨が降っている時のようにアンバランスな空気だった。
コンビニの隣にはドリンクや軽食を売っているスタンドがあって、その前には白くて丸いテーブルと椅子が並んでいた。優悟と彼女は先にドリンクを購入し席について何かを話していた。
───やっぱりお似合いだな・・・。私、このまま帰った方がいいんじゃないかな・・・。
そんなことを思っていると注文したドリンクを店員さんが渡してくれた。
緊張しながら二人が座る席に近づくと彼女がすっと立ち上がった。やはり身長が高く、ローヒールでも160cm台後半くらいありそうだ。
「おでこ、大丈夫ですか?」
「はい、すみません、あはは、スーツにこんなの貼ってカッコ悪いですよね、へへ。」
「大丈夫です。前髪で隠れてるから目立たないですよ。」
若い女子にデレるおじさんのように笑う私に彼女は優しく返してくれた。
「申し遅れました。私、瀬良さんの一年後輩の友野静菜と申します。」
そう言って名刺を差し出してくれたので慌てて『頂戴致します。』と両手で受け取ってから自分の名刺を取り出し『鈴丘千咲です。』と言いながら渡すと彼女───友野さん───も『頂戴致します。』と言って受け取った。
「すごい、Ampersand Plusにお勤めなんですね。」
「い、いえ、その、派遣だし。」
「雇用形態なんて関係ないです。お一人で会社の代表として来られてるなんてすごいですよ。」
「は、はは、どうも・・・。」
「どうぞ。座りましょ。」
友野さんがそう言って椅子に腰を落としたので自分も座ろうとして肘掛けにお尻をぶつけてしまうが、二人には気づかれていないようだった。
───これからここでどんな話が始まるんだろう・・・。
穏やかでゆったりとした様子の友野さん、いつも通り飄々とした優悟、そしてガチガチに緊張している私が囲むテーブルに漂うのはまるでお天気雨が降っている時のようにアンバランスな空気だった。