王子と社長と元彼に迫られています!
「どうしたの?元気ないね。」
朝の通勤電車。扉近くで私の隣に立つ天使王子が心配そうに私の顔を覗き込む。
「・・・うん、ちょっとね・・・。」
昨日の妖艶悪魔のことを思い出す。あれから連絡は来ていない。じわじわといたぶられている気分だ。いっそ一思いにやってほしい。
「あのさ、お願いがあるんだけど。」
王子がキラキラの笑顔で言う。昨日も私が電車に乗ると私の定位置に彼はいて、会社のビルのエレベーターを降りるまで一緒だったのだ。彼の職場は私が働いている会社がある17階より上にあるようだ。
電車からエレベーターホールまでずっと共通の話題である私と同年代の女子バンドSweetaholic Flowers(通称スイフラ)の話をしていた。彼女達はその『甘いもの中毒のお花達』というグループ名や清楚な外見、令嬢風の衣装に反し、ロックな熱い曲を歌う。
どの曲が好きかという話に始まり、どのPVの衣装が可愛いだとか、ライブDVDのあの曲のあの表情がエモいとか、ファンクラブの特典で行ったTVの音楽番組の観覧やラジオの公開録音の話、ライブ会場はどこがいいとか、どのライブグッズがよかったなど話は尽きなかった。
年下であろう彼は私の癒しとなり、朝の通勤が楽しみになった。週に一度でも彼と一緒に通勤できるのなら、自分へのごほうびである金曜日のカフェドリンクのテイクアウトはもう不要だ。
彼に悪魔のことを相談したら力になってくれるかもしれない・・・でもこの穏やかな時間を壊したくなくてとてもじゃないが言えなかった。
朝の通勤電車。扉近くで私の隣に立つ天使王子が心配そうに私の顔を覗き込む。
「・・・うん、ちょっとね・・・。」
昨日の妖艶悪魔のことを思い出す。あれから連絡は来ていない。じわじわといたぶられている気分だ。いっそ一思いにやってほしい。
「あのさ、お願いがあるんだけど。」
王子がキラキラの笑顔で言う。昨日も私が電車に乗ると私の定位置に彼はいて、会社のビルのエレベーターを降りるまで一緒だったのだ。彼の職場は私が働いている会社がある17階より上にあるようだ。
電車からエレベーターホールまでずっと共通の話題である私と同年代の女子バンドSweetaholic Flowers(通称スイフラ)の話をしていた。彼女達はその『甘いもの中毒のお花達』というグループ名や清楚な外見、令嬢風の衣装に反し、ロックな熱い曲を歌う。
どの曲が好きかという話に始まり、どのPVの衣装が可愛いだとか、ライブDVDのあの曲のあの表情がエモいとか、ファンクラブの特典で行ったTVの音楽番組の観覧やラジオの公開録音の話、ライブ会場はどこがいいとか、どのライブグッズがよかったなど話は尽きなかった。
年下であろう彼は私の癒しとなり、朝の通勤が楽しみになった。週に一度でも彼と一緒に通勤できるのなら、自分へのごほうびである金曜日のカフェドリンクのテイクアウトはもう不要だ。
彼に悪魔のことを相談したら力になってくれるかもしれない・・・でもこの穏やかな時間を壊したくなくてとてもじゃないが言えなかった。