王子と社長と元彼に迫られています!
そう、今日は私と優悟の結婚式だ。入籍は一年前に済ませていて、春の陽射しがぽかぽかと暖かい3月末、海が見下ろせる高台に立つ白い壁が眩しいレストランでこじんまりとしたパーティーを開いていた。海と空が繋がって大きな青いキャンバスみたいだ。
賑やかで笑顔溢れる宴が終わり、庭に出て皆を見送った。庭では桜が満開だった。
「桜と海、両方見られるなんて贅沢だよね。今日、すごく素敵な結婚式だった。何より皆が楽しそうでよかったよ。」
「千咲が皆を笑顔にしてるんだよ。改めてすごいと思った。」
優悟がそう言って手を繋いできた。
「私が笑顔でいられるのは優悟のおかげだよ。優悟は私の笑顔の素だから。」
「そうか・・・千咲の心のサポーターだし、笑顔の素なら、俺達ずっと一緒にいるしかないな。」
繋いだ手を握り返して言うと、優悟がわざとらしく大きなため息をつきながらそう返してきた。一方その表情は柔らかな笑顔だ。
「宝石女子3人に囲まれて私なりに頑張ってみたものの、やっぱりまだ石ころだけど、今後ともよろしくね。」
「・・・宝石は店でショーケースに入って売られてるし、買ったらその日身に付けるもの以外は大事に箱に入れて、タンスとか何なら金庫にしまっとくだろ?」
「え?うん。」
「でも石ころはさ、道に転がってるの自分で見つけてポケットに入れて持って帰って、机の上に飾っていつも眺めてたり手に取ったり出来る。だから俺はそっちのが好き・・・それに千咲、すごく綺麗になった。毎日一緒にいるのに毎日ハッとしちゃうんだよ。」
優悟はそう言って私を抱き寄せた。
「・・・でも千咲はさ、元から俺にとって宝石よりもずっと輝く存在なんだよ。千咲の笑顔が俺にとっては植物にとっての太陽みたいなものなんだ。だからこの桜が枯れたり、あの海が干上がるようなことがあっても俺とずっと一緒にいてほしい。」
「・・・うん。」
穏やかに唇を重ねる私達を春風が優しく包み、薄紅色の花びらが純白のウェディングドレスに舞い降りた。
この先にどんな未来が待っているのかはわからないけれど、優悟といれば毎日笑っていられる。笑顔の花が次々と咲いて私達の日々を鮮やかに彩っていく。毎日がお花見日和だ。ときめきも癒しも、それから刺激も・・・全部、繋いだこの手の中にある。
海よりも空よりも広く無限に広がるキャンバスに、私達にしか描けない模様を二人で描いていこう。
───『王子と社長と元彼に迫られています!』 完───
賑やかで笑顔溢れる宴が終わり、庭に出て皆を見送った。庭では桜が満開だった。
「桜と海、両方見られるなんて贅沢だよね。今日、すごく素敵な結婚式だった。何より皆が楽しそうでよかったよ。」
「千咲が皆を笑顔にしてるんだよ。改めてすごいと思った。」
優悟がそう言って手を繋いできた。
「私が笑顔でいられるのは優悟のおかげだよ。優悟は私の笑顔の素だから。」
「そうか・・・千咲の心のサポーターだし、笑顔の素なら、俺達ずっと一緒にいるしかないな。」
繋いだ手を握り返して言うと、優悟がわざとらしく大きなため息をつきながらそう返してきた。一方その表情は柔らかな笑顔だ。
「宝石女子3人に囲まれて私なりに頑張ってみたものの、やっぱりまだ石ころだけど、今後ともよろしくね。」
「・・・宝石は店でショーケースに入って売られてるし、買ったらその日身に付けるもの以外は大事に箱に入れて、タンスとか何なら金庫にしまっとくだろ?」
「え?うん。」
「でも石ころはさ、道に転がってるの自分で見つけてポケットに入れて持って帰って、机の上に飾っていつも眺めてたり手に取ったり出来る。だから俺はそっちのが好き・・・それに千咲、すごく綺麗になった。毎日一緒にいるのに毎日ハッとしちゃうんだよ。」
優悟はそう言って私を抱き寄せた。
「・・・でも千咲はさ、元から俺にとって宝石よりもずっと輝く存在なんだよ。千咲の笑顔が俺にとっては植物にとっての太陽みたいなものなんだ。だからこの桜が枯れたり、あの海が干上がるようなことがあっても俺とずっと一緒にいてほしい。」
「・・・うん。」
穏やかに唇を重ねる私達を春風が優しく包み、薄紅色の花びらが純白のウェディングドレスに舞い降りた。
この先にどんな未来が待っているのかはわからないけれど、優悟といれば毎日笑っていられる。笑顔の花が次々と咲いて私達の日々を鮮やかに彩っていく。毎日がお花見日和だ。ときめきも癒しも、それから刺激も・・・全部、繋いだこの手の中にある。
海よりも空よりも広く無限に広がるキャンバスに、私達にしか描けない模様を二人で描いていこう。
───『王子と社長と元彼に迫られています!』 完───