王子と社長と元彼に迫られています!
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新幹線の窓から流れる景色を見ながら、暁さんに気づかれないように何度目かわからないため息をつく。ため息と共にモヤモヤも吐き出せたらいいのに。
シャツのボタンに手をかけられた時、部屋の内線が鳴って体が離れた。間違い電話だった。
それをきっかけに暁さんがシャワーを浴びる為自分の部屋に戻ってから、思い出してスマホを拾うとまだ優悟との通話は続いていて、『ごめん、連絡するから。』とだけ言って返事を聞かずに切った。
涼しい顔でなんでも楽にこなしてしまいそうな暁さんが、夢を叶える為に熱意と根性で頑張ってきた話を聞いて、彼に対する見方が変わったのは事実だ。それに彼といると刺激的で、今までに知らなかった世界を知ることが出来る。自信家で強引に見える暁さんにも普通に弱気な面があって悩みつつも自分の道を進んでいて、紬くんに感じるのとは違うときめきを感じる。
かと言って、付き合ってもいない人とお酒の勢いで・・・なんて。そういう話を聞いたり、漫画とかで読む度に到底理解できないな、と思っていたのに・・・。窓にはしょぼくれた自分の顔と暁さんの美しい横顔が映っている。
昨日暁さんの話を聞いて、そう言えば優悟の仕事の話ってあまり聞いたことがないなと思った。どういう仕事をしているかは話してくれたけれど、愚痴とか『これからどうしていきたい』みたいな話を聞いたことはないし、自分もしたことはなかったと思う。ただ、前の仕事の時は私の方が休みをとりにくかったので、旅行の時は彼が休みを合わせてくれてはいた。
その仕事を辞める時も親と柚香にしか相談しなかった。辞めたことを言うと彼は『そっか。』とだけ言った。私達はただ一緒にいるだけの表面的な付き合いを3年間も続けていたのだろうか。そう考えるとため息が深くなってしまった。
『一度家に帰ってから、優悟の家に行ってもいい?』というメッセージを送るとすぐに『うん』の二文字が返ってきた。こんな風に即返信があるのも今までにはなかったことだった。
何を聞くかも何を話すかも決まっていないけれど、私は優悟に会いに行くことにした。
新幹線の窓から流れる景色を見ながら、暁さんに気づかれないように何度目かわからないため息をつく。ため息と共にモヤモヤも吐き出せたらいいのに。
シャツのボタンに手をかけられた時、部屋の内線が鳴って体が離れた。間違い電話だった。
それをきっかけに暁さんがシャワーを浴びる為自分の部屋に戻ってから、思い出してスマホを拾うとまだ優悟との通話は続いていて、『ごめん、連絡するから。』とだけ言って返事を聞かずに切った。
涼しい顔でなんでも楽にこなしてしまいそうな暁さんが、夢を叶える為に熱意と根性で頑張ってきた話を聞いて、彼に対する見方が変わったのは事実だ。それに彼といると刺激的で、今までに知らなかった世界を知ることが出来る。自信家で強引に見える暁さんにも普通に弱気な面があって悩みつつも自分の道を進んでいて、紬くんに感じるのとは違うときめきを感じる。
かと言って、付き合ってもいない人とお酒の勢いで・・・なんて。そういう話を聞いたり、漫画とかで読む度に到底理解できないな、と思っていたのに・・・。窓にはしょぼくれた自分の顔と暁さんの美しい横顔が映っている。
昨日暁さんの話を聞いて、そう言えば優悟の仕事の話ってあまり聞いたことがないなと思った。どういう仕事をしているかは話してくれたけれど、愚痴とか『これからどうしていきたい』みたいな話を聞いたことはないし、自分もしたことはなかったと思う。ただ、前の仕事の時は私の方が休みをとりにくかったので、旅行の時は彼が休みを合わせてくれてはいた。
その仕事を辞める時も親と柚香にしか相談しなかった。辞めたことを言うと彼は『そっか。』とだけ言った。私達はただ一緒にいるだけの表面的な付き合いを3年間も続けていたのだろうか。そう考えるとため息が深くなってしまった。
『一度家に帰ってから、優悟の家に行ってもいい?』というメッセージを送るとすぐに『うん』の二文字が返ってきた。こんな風に即返信があるのも今までにはなかったことだった。
何を聞くかも何を話すかも決まっていないけれど、私は優悟に会いに行くことにした。