王子と社長と元彼に迫られています!
「・・・ごめんな。俺のせいで。」
金曜日の仕事後、エントランスで待ち伏せしていた見知らぬ女達に無理矢理連れて来られたやたら高そうなダイニングの個室。
女達の前でとても人前でするものとは思えない濃厚なキス───舌の激しい動きをこれ見よがしに見せつけるようなもので、濡れた音が響いていた───をした暁さんは唇を離した後、氷のように冷たい声で『俺の女に手を出して、お前らどうなるかわかってるんだろうな。5秒以内に消えたら許してやる。そして二度と俺達の前にその薄汚い顔を見せるな。』と言い放った。
女達が尻尾を巻いて逃げて行った後、個室に残された私は彼にきつく抱きしめられていた。
「暁さんのせいじゃないですし。服、汚れちゃいますよ。それも稀少な生地で作ったスーツなんじゃないですか?」
「そんなのいいんだ。」
暁さんはポケットチーフで私の髪を拭いてくれた。薄い水色のそのチーフは紫色に染まった。
「行こう。」
暁さんの上着をかけられて店を出て、促されるまま彼の車に乗った。
金曜日の仕事後、エントランスで待ち伏せしていた見知らぬ女達に無理矢理連れて来られたやたら高そうなダイニングの個室。
女達の前でとても人前でするものとは思えない濃厚なキス───舌の激しい動きをこれ見よがしに見せつけるようなもので、濡れた音が響いていた───をした暁さんは唇を離した後、氷のように冷たい声で『俺の女に手を出して、お前らどうなるかわかってるんだろうな。5秒以内に消えたら許してやる。そして二度と俺達の前にその薄汚い顔を見せるな。』と言い放った。
女達が尻尾を巻いて逃げて行った後、個室に残された私は彼にきつく抱きしめられていた。
「暁さんのせいじゃないですし。服、汚れちゃいますよ。それも稀少な生地で作ったスーツなんじゃないですか?」
「そんなのいいんだ。」
暁さんはポケットチーフで私の髪を拭いてくれた。薄い水色のそのチーフは紫色に染まった。
「行こう。」
暁さんの上着をかけられて店を出て、促されるまま彼の車に乗った。