受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
「え、ちょ、はぁ⁉︎」

 投げられた瞬間、ジョージと目が合う。
 なんで⁉︎ と思っていたら、バランスを崩したままの体が床に叩きつけられた。

「痛い」

 わずかな時間にいろいろなことが起きすぎていて、レーヴは理解が追いつかない。
 痛みに呻きながら顔を上げれば、閉まりつつある扉の向こうからジョージが見たこともない必死な形相で叫んだ。

「レーヴ、行け! 今すぐ部隊へ戻れ!」

 それ以上の言葉は許さないとばかりに、重々しい音を立てて分厚い扉が閉まる。
 レーヴは慌てて立ち上がって扉をたたいたが、中から反応はない。苛立たしげに歯噛みしながら、レーヴは扉を蹴り付けた。
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