受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
頰がひくひくと引きつる。笑いたいのを我慢しているのか、それとも信じがたい事象に驚愕しているからなのか。わからないけれど、とにかく今はやり過ごすしかない。
レーヴは今にも笑い出しそうな顔を隠すため、さらに深々と頭を下げた。
「補佐官。私たちも暇ではありません。さっさと用事を済ませましょう」
ただひたすらに見ない聞かないを実行するレーヴの前で、補佐官の隣に座っていた女性が呆れたような声で提案する。不満そうに「えぇぇ」と騒ぐ補佐官の声を、彼女はピシャリと跳ね除けた。
「この度、隣国ディンビエが魔獣殲滅のために魔の森を焼き払う準備をしている、という情報が入りました。あなたには一刻も早く、この書状を隣国の大使館へ届けてもらいたいのです。全ての魔獣が害をなすわけではないということを、伝える大事な書状です。獣人デュークの同行を許可しますので、最短ルートである魔の森を横断していってください」
レーヴは今にも笑い出しそうな顔を隠すため、さらに深々と頭を下げた。
「補佐官。私たちも暇ではありません。さっさと用事を済ませましょう」
ただひたすらに見ない聞かないを実行するレーヴの前で、補佐官の隣に座っていた女性が呆れたような声で提案する。不満そうに「えぇぇ」と騒ぐ補佐官の声を、彼女はピシャリと跳ね除けた。
「この度、隣国ディンビエが魔獣殲滅のために魔の森を焼き払う準備をしている、という情報が入りました。あなたには一刻も早く、この書状を隣国の大使館へ届けてもらいたいのです。全ての魔獣が害をなすわけではないということを、伝える大事な書状です。獣人デュークの同行を許可しますので、最短ルートである魔の森を横断していってください」