受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
レーヴがそんなことを考えながらデュークの頭を見ていたら、彼の耳が不安そうに伏せられた。
自分にはない獣の耳だが、見慣れているせいか不思議と嫌悪感はない。それどころか、彼の表情以上に感情豊かに動くそれが、かわいく思えるくらいである。
「名前を呼んでほしい」
やわらかな低音は、甘く優しい響きをしていた。
デュークは普通に話しているだけなのに、レーヴの背筋を悪寒のようなものが突き抜けていく。人はそれを快感と呼ぶのだが、うぶな彼女に分かるはずもなかった。
「デューク」
レーヴが名前を呼ぶと、デュークの耳がピーンと立った。立ちすぎて、ピルピルしている。
真偽はどうあれ、見つめ合う二人にマリーはうんうんと頷いた。これを待っていたのよ、と。
ウォーレンはウォーレンで、妻の様子を見て、割り切ることにしたらしい。「俺は関係ない」「俺は空気だ」と念じながら素知らぬ顔で茶をすすっている。
自分にはない獣の耳だが、見慣れているせいか不思議と嫌悪感はない。それどころか、彼の表情以上に感情豊かに動くそれが、かわいく思えるくらいである。
「名前を呼んでほしい」
やわらかな低音は、甘く優しい響きをしていた。
デュークは普通に話しているだけなのに、レーヴの背筋を悪寒のようなものが突き抜けていく。人はそれを快感と呼ぶのだが、うぶな彼女に分かるはずもなかった。
「デューク」
レーヴが名前を呼ぶと、デュークの耳がピーンと立った。立ちすぎて、ピルピルしている。
真偽はどうあれ、見つめ合う二人にマリーはうんうんと頷いた。これを待っていたのよ、と。
ウォーレンはウォーレンで、妻の様子を見て、割り切ることにしたらしい。「俺は関係ない」「俺は空気だ」と念じながら素知らぬ顔で茶をすすっている。