受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
3
昼休みの短いデートはいつだって楽しくて、帰り道は時間に追い立てられるように早歩きになる。
今日はいつもより早い時間に公園から出てきたので、ゆったりと歩くことができた。
「ねぇ、デューク。あなた、フルネームはデューク・オロバスっていうのね?」
「いや、正式にはまだ、ただのデュークだ。ロスティでは獣人が人に変化すると、戸籍と家名、それから然るべき地位が与えられる」
「なるほど。魔獣に戸籍はないものね」
「ああ。それに、僕ら獣人は人族よりもはるかに強い。肉体も、魔力も、なにもかも。それは獣人から人へ変わっても遜色ない。だからこの国では、かなり優遇されるんだ」
ロスティは力が全て。力が強い元獣人を優遇するのは当然のことだ。
ましてや、デュークのような魔術を扱える者には、破格の待遇が約束されるだろう。
「へぇ……」
そういえばマリーがそんなことを言っていたような気がする。
レーヴは現実逃避しながら聞いていたので、すっかり忘れていた。
今日はいつもより早い時間に公園から出てきたので、ゆったりと歩くことができた。
「ねぇ、デューク。あなた、フルネームはデューク・オロバスっていうのね?」
「いや、正式にはまだ、ただのデュークだ。ロスティでは獣人が人に変化すると、戸籍と家名、それから然るべき地位が与えられる」
「なるほど。魔獣に戸籍はないものね」
「ああ。それに、僕ら獣人は人族よりもはるかに強い。肉体も、魔力も、なにもかも。それは獣人から人へ変わっても遜色ない。だからこの国では、かなり優遇されるんだ」
ロスティは力が全て。力が強い元獣人を優遇するのは当然のことだ。
ましてや、デュークのような魔術を扱える者には、破格の待遇が約束されるだろう。
「へぇ……」
そういえばマリーがそんなことを言っていたような気がする。
レーヴは現実逃避しながら聞いていたので、すっかり忘れていた。