受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
5
レーヴが言った入院の二文字に、ジョシュアは「うぐ」と苦しそうな声を漏らした。先日、強制入院させられそうになったことを思い出したのだろう。
ジョシュアはバツが悪そうに座り直し、威厳を保とうとするかのように咳払いをすると、厳しい表情でレーヴを見てきた。
さすが歴戦の猛者といった風格に、思わずレーヴの背筋が伸びる。
(さすが、おじいちゃん。切り替えが早い)
話が終わるまで休憩時間は終わらないぞ。
そう言わんばかりの様子に、レーヴは諦めのにじむ声で「わかっています」と答えた。
「まず、アーニャさんが見た男の人ですが……あの人は、元魔獣の獣人なんです」
「あら、獣人なの? 噂によれば獣人ってとても美形らしいけれど、どうだった?」
「はい、すっっごく美形です。正直言って、ジョージも敵いません。魔王とか堕天使といった存在と錯覚するような、厳格で妖艶で畏怖さえ感じるような美貌でして……あれは人外と言われても納得の──んん゛っ」
デュークのすばらしい容貌を熱弁しかけて、レーヴは咳払いをして誤魔化す。
ジョシュアはバツが悪そうに座り直し、威厳を保とうとするかのように咳払いをすると、厳しい表情でレーヴを見てきた。
さすが歴戦の猛者といった風格に、思わずレーヴの背筋が伸びる。
(さすが、おじいちゃん。切り替えが早い)
話が終わるまで休憩時間は終わらないぞ。
そう言わんばかりの様子に、レーヴは諦めのにじむ声で「わかっています」と答えた。
「まず、アーニャさんが見た男の人ですが……あの人は、元魔獣の獣人なんです」
「あら、獣人なの? 噂によれば獣人ってとても美形らしいけれど、どうだった?」
「はい、すっっごく美形です。正直言って、ジョージも敵いません。魔王とか堕天使といった存在と錯覚するような、厳格で妖艶で畏怖さえ感じるような美貌でして……あれは人外と言われても納得の──んん゛っ」
デュークのすばらしい容貌を熱弁しかけて、レーヴは咳払いをして誤魔化す。