生徒会会長が暴走族総長だった件

またか……

でも案外バイク楽しい。


「ねえ颯。」


「ん?」


私はバイクに乗ってから言った。


「『姫』って何?」


「ああ『姫』ってのは、その族の弱みみたいなもん。でも、男ばっかいる中で女がおったら華やかになるだろ。」


そんな理由で……


「てか!私、なるって言ってないよ!?」


「許可は得たけど。」


いや、勝手に得たことならないで!?


「あと、恋人って何!」


「『姫』になるってことは俺の恋人になるってこと。」


なぜ、そこがつながるのだろう。


「断固拒否します。」


「ははっ、断固拒否ってぇ。」


と隣から声が。

てかこの人も2人乗りなん!


「むっちゃ拒否られてんじゃん。」


だって話して1日目で恋人になる?

そんなことありえない。


「うん、俺悲しーわー。」


心こもってなさすぎ。


「拒否る理由って何なのぉ?」


え~、とそう来ますか……


「……私のせいで誰かを傷つけたくないから、かな。」


と言ったら5秒ほど、沈黙になった。


「えっと……?」


「これはまあ、颯が言ってた通りだわぁ。」


「だから言ったろ?」


何の話だこりゃ。


「予想以上。こいつは流石に入れないとな。」


そして、あまりしゃべってなかった拓三さんも。
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