三度目のファーストキス
♢♢
小学校6年生になって1か月くらいたったころ。初めての席替え。隣の席になったのがレンくんだった。レンくんは明るくてスポーツ万能、勉強もできてかっこいいって有名だった。クラスの女子の半分は彼のことが好きだとか噂があるほど。クラスが同じになる前からもちろん私も知っていたけど、そんな子が隣の席になるなんて私はすごく緊張していたんだ。
『あ!こけねこ!』
彼の第一声がこれだった。
『え?知ってるの?』
私も驚いた。こけねこはすっごくマイナー。普通は店に置いていない。
『見て!』
彼が取り出したのは下敷き。
『うわー!かわいい!』
きらきらした目で下敷きを見つめた。
『山本さん、こけねこ好きなの?』
『うん!大好き!』
これが私たちが仲良くなったきっかけ。
こけねこは少し前のキャラクター。ママが好きで生まれた時から家にグッツが多かった。三毛猫と苔のコラボで癒される。猫のだらけたボーズや表情がたまんない。たまにママがインターネットで文具を買ってくれた。レンくんのママも好きで影響を受けたみたい。
『こけねこってあんま売ってないじゃん?でも、あそこの文具店売ってるんだよ。知ってた?』
『知らない!!』
こけねこはマイナーだけどたまに熱烈なコアファンがいてたまーに売ってる時がある。何でもその文具店の店長がその熱烈ファンらしくて結構グッツが揃えてあるらしい。
『一緒に行こうよ。』
『行きたい!』
その日の学校の帰りみんなに内緒で遠回りして文具店に寄って帰ってきた。予定帰宅時間を1時間もオーバーした私達。家に帰ったら大変なことになっていたっけ。心配して怒りながら泣いて抱き締めてきたママ。次の日にはレンくんと先生にすっごくお説教くらった。先生にこんなに怒られたのは初めてですごく落ち込んだ私に
『ひひっ。また行こうな』
って笑顔で言ってくれたレンくん。この事件からすごく仲良くなった私達。さすがに下校中に寄り道をすることはしなかったけど、自分のこけねこグッツを見せっこしたり、週末に例の文具店行ったり、公園で遊んだり、家で遊んだり。毎日のように一緒だった。男の子とか女の子とか関係なく一番の仲良しだったと思う。レンくんといるのはすごく楽しかった。まだ幼かった私たちは自分たちの事がよくわかっていなかった。ただ楽しいってことだけで一緒にいることができたんだ。
目をつむればまるで昨日の出来事だったかのようにレンくんの元気な笑顔が思い浮かぶ。そしてその笑顔を思い出す度に胸が少し痛むんだ。
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小学校6年生になって1か月くらいたったころ。初めての席替え。隣の席になったのがレンくんだった。レンくんは明るくてスポーツ万能、勉強もできてかっこいいって有名だった。クラスの女子の半分は彼のことが好きだとか噂があるほど。クラスが同じになる前からもちろん私も知っていたけど、そんな子が隣の席になるなんて私はすごく緊張していたんだ。
『あ!こけねこ!』
彼の第一声がこれだった。
『え?知ってるの?』
私も驚いた。こけねこはすっごくマイナー。普通は店に置いていない。
『見て!』
彼が取り出したのは下敷き。
『うわー!かわいい!』
きらきらした目で下敷きを見つめた。
『山本さん、こけねこ好きなの?』
『うん!大好き!』
これが私たちが仲良くなったきっかけ。
こけねこは少し前のキャラクター。ママが好きで生まれた時から家にグッツが多かった。三毛猫と苔のコラボで癒される。猫のだらけたボーズや表情がたまんない。たまにママがインターネットで文具を買ってくれた。レンくんのママも好きで影響を受けたみたい。
『こけねこってあんま売ってないじゃん?でも、あそこの文具店売ってるんだよ。知ってた?』
『知らない!!』
こけねこはマイナーだけどたまに熱烈なコアファンがいてたまーに売ってる時がある。何でもその文具店の店長がその熱烈ファンらしくて結構グッツが揃えてあるらしい。
『一緒に行こうよ。』
『行きたい!』
その日の学校の帰りみんなに内緒で遠回りして文具店に寄って帰ってきた。予定帰宅時間を1時間もオーバーした私達。家に帰ったら大変なことになっていたっけ。心配して怒りながら泣いて抱き締めてきたママ。次の日にはレンくんと先生にすっごくお説教くらった。先生にこんなに怒られたのは初めてですごく落ち込んだ私に
『ひひっ。また行こうな』
って笑顔で言ってくれたレンくん。この事件からすごく仲良くなった私達。さすがに下校中に寄り道をすることはしなかったけど、自分のこけねこグッツを見せっこしたり、週末に例の文具店行ったり、公園で遊んだり、家で遊んだり。毎日のように一緒だった。男の子とか女の子とか関係なく一番の仲良しだったと思う。レンくんといるのはすごく楽しかった。まだ幼かった私たちは自分たちの事がよくわかっていなかった。ただ楽しいってことだけで一緒にいることができたんだ。
目をつむればまるで昨日の出来事だったかのようにレンくんの元気な笑顔が思い浮かぶ。そしてその笑顔を思い出す度に胸が少し痛むんだ。
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