三度目のファーストキス
 「うわぁぁぁぁぁ……」

 数歩歩いて耐えられずしゃがみこんだ。

 俺はさっき何をしようとしてたんだ。またかよ。間違いなく顔は真っ赤だ。おばさんに変に思われたはずだ。自分が嫌になる。

 ももに沸き上がるこの欲求。はあ。苦しい。思わず胸をぎゅっと握りしめた。人を好きになるってこういうことなんだな。

『お前って性欲ないのかよ。』
『お前おかしぃんじゃねぇの。あんなかわいい彼女が隣にいるのに』

 中学の頃に言われた友達の言葉が頭に浮かんで苦笑した。あの頃はよく分からなかった。 

 ももにだけに感じるヤキモチと独占欲。そしてももを前にすると触りたくてしょうがなくなる。この感情が苦しいけど、何だか少し嬉しかった。
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